『歯ブラシで喉を突いてしまわないか心配だなぁ…』
『もう、一人で歯ブラシさせても大丈夫かなぁ…?』
『歯ブラシで喉を突いてしまったけど元気そうだし大丈夫かなぁ?』
生後半年が過ぎ、離乳食が始まると、少しずつ歯磨きを導入するママ・パパは多いです。
虫歯予防のため、歯磨きは必須の生活習慣ですよね!
0〜1歳未満までは絵本やTVで歯磨きのことを教えつつ、ママ・パパが磨いて上げる。
そして、1歳を超えてくると次は自分で持たせて磨かせていくご家庭が多いです。
しかし、まだまだ暴れまわるやんちゃな年齢なので、万が一喉を突いてしまったりしないか不安がありますよね。
そこで今回は、実際に起こった事故の症例を元に、子供の歯ブラシによる事故に注意!喉突きの予防を紹介します。
もくじ
子供の歯ブラシによる事故の実態は?
そもそも子供の歯ブラシによる事故ってどのぐらい起こっているのか??
まずは歯ブラシの事故が多い年齢や件数、事故原因の傾向を知ることで、事故を未然に防ぐ為のポイントを押さえましょう。
日本消費者庁独立行政法人国民生活センターによると、
6歳以下の子供で歯ブラシによる喉突き事故が、平成22年12月から平成28年12月末までに139件寄せられそのうち、124件が3歳児以下だったと発表されました。
参考文献:日本消費者庁独立行政法人国民生活センター
このデータはあくまで消費者庁に寄せられた報告のみの件数なので、事故の大小はあれど、実際の数字はもっとあるかと考えられます。
更に細分化して年齢別に見ると、
- 1歳:64件(46%)
- 2歳:42件(30%)
- 3歳:17件(12%)
まだ物事の分別がつきにくい1歳のお子様が一番多く、成長するにつれて事故件数は減っています。
お子様が1歳〜2歳のあいだは特に注意が必要ということが分かります。
子供の歯ブラシによる事故が起こりやすい行動とは?
参考文献:日本消費者庁独立行政法人国民生活センター
事故原因の過半数以上は、「歯ブラシをくわえたまま転倒」というケースのようです。
歯ブラシによる喉突きは身近に起こりうる事故なので、『うちの子に限って大丈夫』『少しぐらい』と、油断は禁物です。
万が一事故が起こってしまったら、子供が重症になるケースもあります。
グラフにもあるように事故が起こりやすいシチュエーションを把握して対策していきましょう。
子供が歯ブラシで事故を起こしてしまう行動について詳しく解説していきます。
歩きながら歯磨きをして転ぶ:子供の歯ブラシの事故①
1つ目の歯ブラシの事故に繋がる行動は、歩きながら歯磨きをして転ぶ事です。
歯ブラシ事故の中で最も多い事例ですね。
1歳の子どもは歩けるようになっても、まだまだふらつきがちで何もないところでも転んでしまいます。
転んだ時にとっさに手をつける子供もいれば、手が出ずに顔面から転んでしまう子供もいます。
歯磨きをしながらもし顔面から転んでしまった場合、歯ブラシが喉を突いてそのまま刺さったり、思わぬところに歯ブラシによる傷が出来てしまったりします。
歯磨き中に転落:子供の歯ブラシの事故②
2つ目の歯ブラシの事故に繋がる行動は、歯磨き中に転落する事です。
歯磨き中に転落する危険性が高いものは
- ソファ
- 踏み台
- イス
日常生活の中で、何かの拍子に椅子やソファから落ちてしまいそうになる、もしくは落ちてしまったという経験があるママ・パパは多いと思います。
これも歩きながら歯磨きするのと同じ様に、受け身を取れずに顔面から落ちると歯ブラシが子供の口の中に必要以上に入ってしまいます。
その為、重症化してしまうケースがあるので注意が必要です。
歩きながら歯磨きをして人や物にぶつかる:子供の歯ブラシの事故③
3つ目の歯ブラシの事故に繋がる行動は、歩きながら歯磨きをして人や物にぶつかる事です。
1歳〜2歳のお子様は大好きなママやパパを見ると、嬉しくて無防備に飛び込んで抱きついてきます。
このとき歯ブラシをくわえたまま飛び込んできて事故に繋がるケースがあります。
また、子供の目線や子供の口の高さにある物は家の中には沢山ありますよね。
お兄ちゃんやお姉ちゃんなんかがいると、追いかけっこに夢中になってしまい、そのまま壁などにぶつかってしまうケースが多いです。
もし歯磨きをしている最中に子供の口の高さほどの物にぶつかると、歯ブラシが口の中に必要以上に入ってきてしまいます。
そうなると子供の口内が圧迫され、思わぬところの血管が切れて重症化してしまう場合があります。
子供の歯ブラシによる事故の実例
続いては実際に、子供の歯ブラシでどのような事故があったのか?実例をあげて紹介していきます。
歯ブラシが喉に刺さる(喉突き):事故例①
1つ目の子供の歯ブラシによる事故は、歯ブラシが喉に刺さる事例です。
1歳児の乳幼児が歯磨き中に歯ブラシをくわえたまま歩き出し、そのまま転倒してしまいました。
その結果、子供がくわえていた歯ブラシが喉に突き刺さってしまったのです。
そして、喉を突いて刺さった歯ブラシをママが抜こうとすると、歯ブラシが折れて柄の部分だけが取れて、先端は喉の奥深いところに残ってしまいました。
歯ブラシは、大人の力でも中々折れるものではありません。
子供が転んだ拍子に歯ブラシに亀裂が入って、折れてしまうほどの圧力が掛かったとみられています。
もし歯ブラシが子供の血管の近くに入り込んでいたら、大出血の大惨事に繋がったと言えます。
術後も長期の入院が必要となるほどの事故だったそうです。
喉突き事故後に炎症を起こす:事故例②
2つ目の子供の歯ブラシによる事故は、喉突き事故後、診察をしたにも関わらず後ほど炎症が起こってしまった事例です。
これは2歳の子供が歯磨き中に歯ブラシをくわえたまま歩行し、転倒した拍子に歯ブラシが喉を突いてしまいました。
幸い傷口もそこまで深く無い様子で、出血も少なかった為、そのまま様子を見ることに。
しかしその後、だんだんと元気がなくなり救急病院へ。
見た目では小さな傷しか見られないので、レントゲン撮影をしたところ、子供の肺の縦隔まで炎症を起こして腫れあがっていたそうです。
結局そのまま入院しての治療へ。
対応が一歩遅ければ、窒息や、致命的な感染症を引き起こしていた可能性があります。
見た目では分かりにくくても長細いものが喉の奥に刺さると、重症に繋がるケースがあるようです。
子供の歯ブラシによる喉突き事故の予防法は?
子供が歯ブラシによる事故で喉を怪我してしまうと、飲食が難しくなって子供の健康面も心配ですよね。
ママやパパにとっても大変な日々を送ることになってしまいます。
ではそのような子供の歯ブラシの事故を予防する為には、どうしたらいいのでしょうか?
続いては、子供の歯ブラシの喉突き事故の予防法を3つ紹介していきます。
床に座って歯磨きをする:子供の歯ブラシによる喉突き事故の予防①
1つ目の子供の歯ブラシによる事故を予防する方法は、床に座って歯磨きをさせる事です。
これさえ出来れば全ての歯磨き事故はなくなると言っても過言では無いです。
ママやパパも忙しい日々だとは思いますが、お子様が1〜2歳のあいだは、子供が歯磨きをしている時は出来る限り傍にいるようにしましょう。
しかし、1〜2歳のやんちゃ盛りの子供にとって、ジッと座るということは中々容易なことではありません。
もし途中でジッと出来なくなった時は、一旦歯磨きをやめて、2回に分けて行うと良いでしょう。
また、先の事故原因にもあったように、ソファや椅子に座らせるのは転落の危険性があるのでやめておきましょう。
更に、歯ブラシを持っている子供の近くに、ぬいぐるみやつまずきやすいコードを置かないように工夫する事も大切ですよ。
洗面台までの道のりは何もない状態にしておくと安心です。
歯ブラシを口の中に入れたまま移動していないかも注意が必要です。
子供用の安全な歯ブラシを使う:子供の歯ブラシによる喉突き事故の予防②
2つ目の子供の歯ブラシによる事故を予防する方法は子供用の安全な歯ブラシを使う事です。
喉突き防止の歯ブラシ:安全な歯ブラシ①
万が一の転倒や転落の際の喉突き事故を考えて作られている歯ブラシが有りますのでいくつか紹介します。
Ci ベビー歯ブラシ
初めての歯磨きによく使われる歯ブラシです。
安心安全且つ、手に取りやすい設計となっております。
可愛いデザインと、1歳前後のお子様はブラシ部分をよくカミカミしてすぐダメになってしまうので、4本セットなのも人気の理由の1つですよ。
ピジョン乳歯ブラシ
こちらは成長に合わせてプレートを取り外して使用することも可能となっております。
安全な作りなので、安心して自分で握らせて磨く動作を覚えさせることが出来ます。
1歳を過ぎた頃からこちらの歯ブラシに切り替えられるママが多いですよ。
テテオ じぶんでみがけた 乳歯ブラシ
続いては、テテオ 自分でみがけた乳歯ブラシです。
見た目からして安心な、安全対策が施された喉突き防止カバーが付いた歯ブラシです。
対象年齢も10ヵ月ごろ〜36ヵ月までと幅広く利用が出来るのも嬉しいポイントですよね。
折れにくい曲がる歯ブラシ:安全な歯ブラシ②
曲がる歯ブラシBabyやわらかめ乳歯
こちらも喉突き事故防止を考慮して作られている、折れにくい曲がる歯ブラシです。
お子様が大人と一緒の物を欲しがるようになってきた場合は、大人用と見た目は同じのこちらの歯ブラシがおすすめです。
また、優しく曲がるネック部分が、事故予防だけでなく、歯や歯茎を痛めにくくなっています。
仕上げ磨きに注意する:子供の歯ブラシによる喉突き事故の予防③
3つ目の子供の歯ブラシによる事故を予防する方法は、仕上げ磨きに注意する事です。
実は、仕上げ磨き用の歯ブラシと、子供用の歯ブラシは別物です。
Ciメディカル歯ブラシ 仕上げ磨き用
仕上げ磨き用の歯ブラシは子供用の歯ブラシに比べて、歯の隅々まで行き届くようなデザインになっています。
先端が小さく隅々まで磨ける分、危険性が高くなっています。
必ず仕上げ磨きはママやパパが行い、仕上げ磨き用の歯ブラシは子供が触らないように気を付けましょう!
万が一喉突き事故が起こってしまった場合は?
どれだけ気をつけていても事故が起こってしまう場合は有ります。
いざそんな時に慌ててしまわない様に、どの様に対応すれば良いのか?を事前に知っておき、万が一の場合に迅速に対応出来る様にしておきましょう。
まずは状況の確認から
歯ブラシが喉を突いてしまったかもしれない!と思ったら、
- 歯ブラシが折れていないか?
- 歯ブラシに血は付いているか?
- 口や鼻から血は出ているか?
- 血が出ている場合、傷口は確認出来るか?
まずは冷静に現状の確認からです。
出血の有無やお子様の様子を落ち着いて見てあげましょう。
ケガをしてしまった場合は耳鼻咽喉科へ
喉突き事故でケガをしてしまった場合に診療してもらうのは、耳鼻咽喉科が適しています。
最寄りの耳鼻咽喉科は必ずチェックし、ケガは無さそうでも心配なら一度診てもらいましょう。
心配な場合は救急に相談することも出来る
耳鼻咽喉科の診療時間外に事故が起きてしまうことも当然あるかとは思います。
お子様の様子を見て今は大丈夫そうだけど本当に大丈夫かな?と、ずっと不安になってしまうことも有りますよね。
すぐ診てもらった方が良いのか?明日まで様子を診ても大丈夫なのか?
そんな時は救急ダイヤルに相談をすることが出来ます。
- 番号:♯7119
- 相談窓口:2番
主な確認される内容としては、
- お子様の年齢
- 性別
- どこで何が起こったか
- 事故の発生した時間
- 意識の有無
- 顔色が悪くないか
- 目が合うかどうか
- 出血は止まっているか
- 直後に呼吸が一瞬止まったり、意識がなかったり、ぐったりしたか
自分で判断に困った場合は相談をして指示を仰ぎましょう。
あとがき
いかがでしたか?
子供の歯ブラシによる事故の事例や、予防策は参考になりましたでしょうか?
「さぁ、寝る前に歯磨きしておいで」と子供に言って、ママは家事に勤しんでいるご家庭も少なくないと思います。
しかし、この歯ブラシによって起きてしまう事故はとても怖いものが多く、入院に繋がるケースも考えられ、また命に関わる事故もあります。
「歯ブラシは怖いもの」と、子供も親も共通の意識をもって安全に歯磨きを行いましょう。
今回は、子供の歯ブラシによる事故に注意!喉突きの予防を紹介しました。